物語

2009年9月 8日 (火)

むかしむかしのおはなし

僕は昔、木だった。

広い野原の中にぽつんと立っていて、特別大きいわけじゃないけれど、枝をいっぱいに広げて葉っぱをたくさんつけて青々としていた。

高原のような所だったけど冬はそんなに雪は降らず、夏も夏でそんなに暑くはなく湿気もあまりなく過ごしやすい所だった。

どの季節も少し乾いた風が心地良かった。

春には野原に白やピンク、黄色などの小さな花がたくさん咲いて、真白な蝶々がたくさん飛びまわっていた。

そんな春のある日、目が覚めると僕は自分の枝に小鳥がとまっているのに気がついた。

目をパチクリさせて、首をかしげながら「あれ、おかしいなぁ」といった表情で何かを探していた。

どうやら群れからはぐれてしまったみたいだった。

群れで移動しているときに、きれいな花に見とれてここまで来てしまったのだろう。

小鳥はピーピーっと鳴いて仲間を呼んだ。

でも仲間たちはもう遠く彼方へ行ってしまい、その声は届かなかった。

小鳥は仲間が戻ってこないことを理解して、不安になった。

どこに行けば良いかも分らなかった。

だから、僕の枝でじっとしていた。

お日さまが出ている間は野原の花に見とれたり、蝶々を不思議そうに眺めたりしていた。

お月さまが出ている間はお月さまに見とれて、気がつくと眠ってしまっていた。

そんな日々が何日か続いた。

僕が目を覚ますと、小鳥は眠ったままだった。

そして、それからずっとずっと僕の枝の上で眠りつづけた。

野原には小さな花々が咲き、蝶々たちが飛び回っていた。

風は悲しいくらい心地良かった。

そんな昔話。

そんな僕と小鳥は、何十年もそのまた何十年ももしかしたら何百年も経った後に赤道直下の熱帯雨林の中で再開した。

小鳥は昔の面影を残しつつも、昔よりずっと元気で生命力に溢れていて、魅力的になっていた。

昔の僕の役目は小鳥が安らかに眠っていくのを見届けることだった。

今度の僕の役目は小鳥が少しの間だけ僕の枝で羽を休めて、その後自分の力で元気に飛び立っていくのを見届けること。

物語は続いているのだ。

これが最初でもないし最後でもないのだ。

物語は二人だけの物語では終わらない。

お互い色々な物語を進んでいくし、きっと色々な人の物語の交差の中を生きていく。

僕は小鳥が飛び立った今もこの先も小鳥の物語を見守っていたいと思う。

そして、僕は僕で新たな物語を歩んでいこうと思う。

僕は今、教師を目指すのも良いかもしれないなぁと思い始めています。

自分の中で尊敬する人を思い浮かべるとパッと出てくるのがお世話になった先生だし、前々から興味はありました。

いつかやりたいと考えている旅人宿は、60歳くらいになって少しは味のある大人になったら始めても良いかなと思います。資本金も必要だし。

まぁ、やりたいことがいっぱいある僕なので慎重に決めたいと思っていますが、身近な人からは「教師に向いてるような気がする」とは言われます。

今更焦ってもしょうがないし、慎重に慎重にでもやっぱり直感と勢いを大切に。

小鳥が僕に教えてくれたことを忘れずにね。

真心ブラザーズの『空にまいあがれ』。僕の心を救ってくれました。

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僕は僕を続けるよ明日からも。

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